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ヴァイオリン・ソナタ
第5番「春」作品24春は波瀾に満ちている、というイメージがあるのは私だけだろうか。新芽 が出て花が咲く、気候も温暖で心地良い。その一方で、年度変わりに伴う環 境の急激な変化や面倒な手続きは渾沌極まり、転勤・引越しともなれば生き た心地がしない。新しい出会いは結構だが、何より別れはつらすぎる。 ベートーヴェンの「春」は、そんな私の春のイメージを見事にすくいとっ てくれている。どの楽章も麗しい旋律や軽快なリズムを持ち合わせている が、所どころに見られる短調は春の嵐のように激昂し、春雨のようにじとじ ととする。「春」という副題は恐らく後世に付けられたものだが、印象的な 翳りを併せ持つこの曲を「春」と呼ぶ、ドイツ人十八番のイロニーも表現で きたらと思う。(下野) -
デュオ・コンチェルタンテ
作品67−2富永による各楽章推しポイント:
1楽章:第1主題は快活なリズムを強調する音源も多いですが、半音の持つ曲線性/装飾性(エロさとも言う)の方をむしろ個人的には推したいです。
2楽章:Brahmsなどでは見られない ”純粋な”叙情性。センチメンタルな気持ちに溺れてみるのもたまには良いかもと思わせてくれる楽章です。
3楽章:付点のリズムというのは意外と表現の自由さが認められている気がしており、どう演奏するかに演奏者の趣味や精神状態が表れやすいリズムだと思います。どんなキャラクターで演奏したら面白いか、本番中に永井君と一緒にアイデアを出し合っていくのが楽しみです。(富永) -
ヴァイオリン・ソナタ
第1番「雨の歌」作品78ブラームスが40代半ばのころ、交響曲第2番と同時期にオーストリアの避暑地・ペルチャハで書かれた作品です。「雨の歌」の俗称は、3楽章冒頭の主題の元となった歌曲より来ています。
1楽章の頭から、儚げで美しい旋律に引き込まれます。「雨の歌」の呼び名はブラームス本人によるものではないそうですが、個人的には1楽章も雨という印象です。雲の合間から日がこぼれる中、春のやわらかい雨が降り注いでいるような豊かさを感じます。
ロマンチックで、3つの楽章を通しての緩急や統一感もあり、一番好きなヴァイオリンソナタです。下野さんとの演奏を楽しみたいと思います。(永井)
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Tasuku
Tominaga1998年大阪府箕面市生まれ。京大オケに運命を狂わされたうちの一人。 音楽が昔から大好きで、道端でよく踊っていたという(いま思えば京大オケでも事あるごとに踊らされていた)。 ヴァイオリンはこれまで工藤千博、森悠子各氏に師事。
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Yuki
Nagai東大阪市出身、1999年生まれ。5歳でバイオリンを始め、東健三氏に師事。第10回大阪国際音楽コンクール金賞・文化奨励賞など。京都大学交響楽団で音楽浸けの日々を過ごす。星野源が好き。最近毎日映画を見ています。
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Shuta Shimono
愛知県瀬戸市生れ。これまでに和田律子、鈴木久美子、米川幸余各氏に師事。中学まではピアノを習っていることを周りに隠し続けていたが、最近ではYouTubeなどで見かけるほどオープンに。隠れ趣味は切手・貨幣収集とランニング。
ごあいさつ
本日は「雪解けコンサート 2022」にご来場いただき、 誠にありがとうございます。京都大学で知り合った私たちは、 サークルの垣根を越えてアンサンブルを重ねてきました。 本日のプログラムは「春の兆し」をテーマに、人気の名曲を 選んでいます。まだまだ寒い日が続きますが、音楽の温かさ を少しでもお届けできたらと思います。どうぞ最後までごゆ っくりお楽しみください。